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主人公・ガウル

〜 プロローグ 〜






廃墟と化した町の中央通りで
2人の男が対峙していた。

そのうちの一人の名前はガウル。
黒いTシャツの上から黒色のジャケットを羽織り、
黒色のジーンズは『サブヴァーシブ』をしまっておく為の
ホルダー付きベルトで止められている。



一応、この物語の主人公だ。



ちなみに、『サブヴァーシブ』とは
炎の『サラマンダー』と錬金術で融合したもので、
事前に尖った形に加工した鋼鉄に
術式を施した『ディナイル』という
弾丸を放つ為の武器のことである。



ガウルと対峙しているのは、
右腕の先端に鉄球が搭載された
『マン-メイドアーム』を装備した男だ。



『マン-メイドアーム』は20年ほど前に義手の
上位互換として作り出された腕のことだ。
世間では『MMA』と略されている。

他にも腕だけでなく足など、
体の様々な部分の代わりになるようなものが作り出されている。
それらは総称して『a - Gift - from - God』。
略して『G-2』<ジーツー>と呼ばれている。



瞬きをすることすら死に直結しそうな
緊張感が2人の間を支配している。

冷や汗が頬を伝う。
だが、ぬぐう暇はない。
生唾を飲み込む。
その音が響きそうな錯覚さえ起きる。



なぜこのような状況に陥ったのか、
経過が唐突でガウルにはよく分からなかった。



ガウルがこの廃墟に訪れて
まず、人を見かけることはなかった。

もはや忘れられた町だ。

ガウルは次の町へと向かうための
経路としてこの廃墟と化した町の中を歩いている。

ふと、地面に影を発見した。

それはほかの影と違い
比較的人間らしい影をしており、
尚且つ動いていたため
人のものであると推測できた。

ガウルはあたりを見回した。
地面には誰もいない。

建物の上を見た。

ちらりと男の姿が目に入ってきた。
だが、じっくりと観察している余裕はなかった。

その男の『MMA』の鉄球が
廃墟と化した家屋をぶち壊して襲ってきたのだ。

ガウルは転がるようにして
ギリギリのところで避けたが、
鉄球は男によって操られ
再びガウルに襲い掛かってきた。

ガウルはそれを左の腰にぶら下げていた
『サブヴァーシブ』-『虎鉄』を素早く抜き取り、
3発『ディナイル』を鉄球へと撃ち込むことで
鉄球自体の軌道を変えて避けた。

鉄球に付いていたワイヤーでそれは男の下へと戻っていった。

「ほぉー、避けられたか。」

男は生身の左手を腰に当てて感嘆した。

通常『MMA』は生活の補助に用いられる。
だが、男の『MMA』は鉄球が
ついているため破壊を
目的としたものだということは明らか。
『MMA』は手の部分が鉄球になっている。
鉄球自体大した大きさじゃない。

ガウルは『虎鉄』を右手に握り締めたまま、
地に片膝をついた状態で
廃墟の屋上らしきところに
立っていた男に聞こえるよう叫んだ。

「当たったら死ぬぞ!馬鹿野郎っ!!」

ガウルは見上げる形になっている。
男はガウルからみると太陽が背にあるため
シルエットしかガウルには見えない。

男はうっすら口元に笑みを浮かべ、
相変わらず腰に生身の左手を当てた状態で答えた。

「あ?当たったら死ぬ?
 ・・・・・・・あのな、当てて殺すのが・・・」

そこまで言うと男は『MMA』を
身を捻って後ろ手に構えた。

「目的なんだ・・・よっ!!」

先ほどの答えの続きと共に、
空気がゴォッという音を上げる。
野球の球を投げるようにして鉄球が射出された。

鉄球と男をつないでいるワイヤーが
ものすごい音を立てながら伸びていく。
男の手元の『MMA』から伸びているワイヤーの付け根は
摩擦で軽く煙を出している。

ガウルはそれを後ろに跳んで交わした。
男の鉄球は地面をめくり上げながら突き刺さる。

避けると同時にガウルは『虎鉄』を空中で瞬時に
照準を男に合わせながら3発『ディナイル』放った。
男は『MMA』を振ってワイヤーを波打たせ、
1発弾いた後残りを跳び退りながら避けた。

だが、弾いた1発を除いた
残りの2発の内、1発は男にかなり近いところを飛んでいった。

ガウルは男が避けることを予想して
1発はわざと離れたところを狙った。



鉄球を放った男は
頬を伝う汗を感じながら声を漏らした。

「100メートルくらい離れてるってのになんて野郎だ。」

今の一連のせめぎ合いで
自分が相手にしているのは
化け物だということが男には理解できた。
もしかしたら、
自分は殺されるかもしれない。

だが、男は少し嬉しかった。
『MMA』を移植してからも
大勢の人間を殺してきたが、
どれも男の『MMA』の前では
歯が立たなかった。

自分の『MMA』の力を試してみたい。
全力を出したらどれだけの力を出せるのか見てみたい。
ずっと男は望んでいた。

目の前に全力を出しても壊れないかもしれない奴がいる。

「頼むから、簡単に壊れないでくれよ。」

そっと舌を舐め、独り言を言った。
男は腕を横に降り、鉄球を腕に戻しにかかった。
鉄球についているワイヤーが男から観ると左に弧を描く。
戻るのに邪魔な廃墟は煙を立てて吹っ飛ばす。

鉄球はガシュッという『MMA』が
衝撃を吸収する音と同時に元いた場所に戻った。

男は叫んだ。

「オレの名前はヴァウンズ・ハンズ!
 これから全力でお前をぶっ壊す。
 お互い楽しもうぜぇ!」

ハンズは屋上からガウルめがけて跳んだ。



ガウルにとってみれば格好の的だ。
外さない自信がガウルにはあった。
ガウルは冷静に、かつ迅速に
『虎鉄』の照準を合わせた。

ハンズに向かって2発の『ディナイル』を放つ。
2発共ハンズの急所を正確に狙っている。

だが、ハンズは引き金を引かれる前に
ガウル目掛け鉄球を射出していた。
『虎鉄』から放たれた2発の
『ディナイル』を鉄球が弾く。

仕留めそこなったガウルは、
すかさず身を翻して鉄球を避ける。
『虎鉄』の代わりに後ろの腰にぶら下げていた
片手では打つことが不可能なほどの威力を放つ
黒いツヴァイハンダーの
『サブヴァーシブ』-『イザナミ』を
素早く抜き取り、
鉄球より少しだけ遅れて
地面に到着したハンズに向けて構える。
ガウルは『イザナミ』の引き金を・・・

ハンズは地面に到着したと同時に
ガウルに向かって何か黒くて丸いものを
ものすごい速さで投げつけていた。

地面に到着するための衝撃をすべて
『MMA』に預け、
空いた左手で投げたのだ。

その動きに無駄なものは
何一つなかった。

そして、ハンズの投げた黒いものは
『イフレシアス』だ。

昔の『手榴弾』とは違い、
『サラマンダー』との融合で
容易に周囲のものを
焼き尽くすことを可能にした兵器。
殺傷能力は『手榴弾』を遥かにしのぐ。

それが今、ガウルに迫っている。

有効範囲は恐ろしく広い。
避けることは不可能。

ガウルは素早く腰にぶら下げている
小さなポシェットから、
円柱状の小さくて白い物体を
『イフレシアス』に投げてぶつけた。

すると、その白い何かは
『イフレシアス』の爆発により
大量の白い煙へと姿を変え、
『イフレシアス』の生み出した炎全体を包み込んだ。



ハンズは着地した時に
隙ができることを予想していた。
そして、ガウルはそれを見逃さない。
必ずその隙を突いてハンズを殺しにかかる。
ハンズはガウルを信じていた。
敵に対して”信じる”というのも
おかしな話だが、実際にハンズは信じていた。

だから、次の手も用意することができた。

こちらに隙ができたことで
相手にも少なからずの油断ができる。
確実に仕留めたという油断が。

それを見越して屋上から跳ぶ際、
『イフレシアス』を1つ手元に用意しておいた。

案の定、ガウルは『サブヴァーシブ』を
取替えて止めを刺しにきた。

だが、ハンズの予想に反し
ガウルは油断をしなかった。

ハンズが投げたものを
瞬時に分析して
適切な対処法を行使してきた。

『イフレシアス』の爆発は
白い煙の中だけのものとなった。

『イフレシアス』の中に仕込んであった鉛球が、
飛び散る形で氷の結晶と化していた。

それが地面に落ち、
ガラスのそれと同じように粉々になった。



ガウルの投げた白い円柱状のものは
『ゲーリフス』という『ウンディーネ』と
融合させた冷却材の1種である。

普通、『ゲーリフス』は
機械のオーバーヒートを抑えるために
専用の装置で少量に分解して用いられるものである。

実際ガウルは『ゲーリフス』を
『サブヴァーシブ』の冷却材として使用している。

『ゲーリフス』が円柱状の塊であるときは、
それ自体危険性はない。

だが、その塊を形成している
無数の粒子1つずつに対して
加えられる熱量が一定量を満たすと、
急激な熱吸収が発生するのだ。



特別な装置を用いて
霧状にして吹きかける『ゲーリフス』を、
目に見えるほどの塊で
超高温を発生させる『イフレシアス』に投げつける。

これにより発生する
急激な熱吸収は恐ろしいものだ。

普通なら、50メートル四方のもの
すべてが氷の結晶と化す。

だが、『イフレシアス』の尋常ならぬ熱により
そこまでの大惨事にはいたらなかった。

結果的に『イフレシアス』の
爆発を防ぐ対抗手段として効果を発揮した。



ハンズは驚いていた。
まさか、自分の用意していた手が
予想外かつ見事な方法で打ち破られた。

『イフレシアス』の爆発に対しての
『粒子結界』が無駄になってしまった。

一瞬だけ周囲の原子の介入を防ぐことのできる
『粒子結界』は大気中に霧散していった。


『粒子結界』が消えたと同時に
ガウルは『イザナミ』を両手で
構え照準をハンズに合わせる。



ガウルが照準を合わせ終わるまでのコンマ何秒という
刹那の内に、対峙する2人の集中力と緊張感が
最大限にまで引き伸ばされ、体感速度が減速していく。



相手を殺すことに対する迷いを捨てろ。
ガウルは心の中で呟いた。




一気に時間が元の速度に戻る。

照準を合わせ終え、引き金を引く。
ものすごい発砲音が周囲に響き渡った。



ハンズはとっさに『MMA』の
鉄球の射出にかかる。

だが、鉄球はハンズの目の前で
粉々に吹き飛んだ。

顔の前で構えた生身の左腕を
鉄球の破片が切りつける。

「っ!」

粉々になった鉄球のおかげで
『ディナイル』の弾道は
変えることができたらしい。

ハンズの右後ろにあった
廃墟の壁に大きなヒビが入っていた。

左腕からは血が滴り落ちているが、
なんとか拳を握ることができる。
深手はまぬがれたようだ。



ガウルはすかさず
『サブヴァーシブ』を構える。



ハンズは痛みをこらえながらも、
左手で鉄球を失った『MMA』の
小さなカバーを取り外し、
中にある赤い輪っかに指をいれ引いた。

輪っかには細い紐がつながれており、
引き終えると同時に
『MMA』から大量の白い煙が射出される。



煙によって、ハンズの姿は見えなくなった。
ガウルはそれを確認すると
『サブヴァーシブ』を『虎鉄』に
変えて先程までハンズが立っていた場所目掛け、
煙の中へ少しずつ方向を変えながら乱射した。

すぐに『虎鉄』の『ディナイル』が切れたが、
ガウルは素早く『虎鉄』自体を手元で
回転させながら巧みに弾の装填を行った。

一瞬の内に、『ディナイル』の装填は終わり
大道芸をみているようだった。

ガウルは現状の考察を行う。

鉄球は打ち砕いた。
攻撃の要を失ったハンズは
一時退却へと出たのだろう。

だが、油断はできない。

ハンズの武器が『MMA』だけとは
限らない以上、うかつなことはできない。

結論として、ガウルは威嚇の意味も込めて
『虎鉄』を再び乱射しながら建物の影へと隠れていった。



ハンズは移動した先で小さな手鏡を使って
ガウルの位置を割り出そうとする。

だが、人の姿を確認することはできなかった。

どうやらガウルは隠れたらしい。

傷を負った左腕に簡単な応急処置を施し、
廃墟にあらかじめ隠しておいた鉄球を
『MMA』に取り付けながら考えた。

遠くへ逃げたということは?
敵がのこのこ出て行くのを何処かで
待ち伏せているの可能性も。

ジーッ・・・ピッ!

ハンズは隠し持っていたレーダーを確認する。

あらかじめ仕掛けておいたセンサーを
頼りに、熱を感知して生命体の
大まかな場所を割り出すものだ。

だが、センサーの半分は作動していない。

どうやら、ガウルがセンサーに気付き
壊して回っているようだ。

後退した先での待ち伏せ。

ハンズはそう予測した。

(だがな、お前の場所は丸わかりなんだよ。
 壊れたセンサーの設置場所が
 お前のいる位置を教えてくれている。)

ハンズは勝利を勝ち得たように笑みを浮かべると
ガウルがいるであろうポイントへ向かった。



- 情報が生死を別つ。 -



師匠の口癖だった。

女性にも関わらず
いろいろな武術や武器に精通した人だった。

『サブヴァーシブ』の扱い方も彼女に教わった。

ガウルはハンズが仕掛けたセンサーを
壊しながら昔を思い出していた。



「生死を別つギリギリの場面で必要なことは何だ。言えガウル。」

 ガウルは腕立て伏せをさせられながら答えた。

「弾薬や食料などの補給物資の有無、
 補給経路の有無だと思います。」

「それは違うな。

 戦争などの大勢の人間同士が争うときなら
 まぁ、あながち違うとは言わない。

 可能性は低いながらも、
 他人が何とかしてくれるかもしれんからな。

 だが、どんなに弾薬があろうと、
 どんなに食料で空腹を満たそうと、
 情報が相手に筒抜けだと死ぬ。

 どれだけ弾薬があるのか。
 どうやって補給物資を運んでいるのか。
 様々な情報がその場の戦況を大きく左右する。
 殺すも殺されるも情報次第。

 いいか、ガウル。
 自分の情報を相手に握らさず、
 相手の情報をかき集めろ。
 それが生き残り、自身を勝利へ導くために必要なことだ。」

「あの〜・・・師匠。
 相手の位置を掴んでいても
 こちらの弾薬が尽きていたり、
 何日も食べてなくて
 体力が限界だったら
 どんな情報も意味が無いんじゃないですか?」

 師匠と呼ばれた女性は
 呼んでいた厚い表紙の本を閉じて一喝する。

「バカモノ!何のための修行だ。
 どんな状態、状況だろうと相手を殺せ。
 物資が無ければ
 得た情報から敵の物資を奪い取れ。
 そうすれば問題ないだろう?」

「滅茶苦茶だ〜〜。」

「なんだ?師匠様に向かって口答えか?」

「え!?い、いえ!!しょ、そんなことは一切ありません!!」

「いつからお前はそんなに偉くなったんだ〜?」

 不適な笑みを口元に浮かべつつ、
 師匠がガウルに歩み寄る。
 師匠は手の関節をポキポキとならし
 暴力を行使するための準備運動をする。

「師匠!!話をき、聞いて・・・グポォア!?」



嫌な過去を思い出してしまった。
知らないうちに涙が出ていたようだ。
ガウルは涙を拭いながら
腕時計で時間を確認した。



ハンズは気持ちが高揚していた。
相手のことがこれほど筒抜けだと
勝利を確信してならない。

相手の位置がわかるだけでなく、
これからどこへ向かうのかということも
壊れたセンサーの道筋から
大体予測できる。

その予想によると現在ハンズの
隠れている廃墟の壁の向こう側に
ガウルが立っていることになっている。

先程の手鏡が壁の向こう側の世界を映し出す。

光の反射であまりはっきりとは見えないが、
ガウルが上から羽織っていた黒色のジャケットがちらりと見えた。
こんなところにほかに人間がいるはずも無い。

ハンズは壁に向かって『MMA』を構えた。

壁の向こうに奴がいる。
自分にここまでの緊張感を与えた男。
ここで殺して終わってしまうのが
勿体無いと思えるほどの男がだ。

だが、どんな戦いにも終わりは必要だ。

「じゃあな。」

ハンズは『MMA』のハンマーを射出した。

目の前の壁が物凄い音を立てて崩れ去る。
黒いジャケットめがけて
ハンマーが飛んでいく。

ジャケットの主は
それに気付くことなく一瞬で粉々になった。

主を失ったジャケットが宙に舞う。

あまりにも呆気なく
そして、あまりにも無情な終わりだった。




「ハハッ!やっぱりオレって最強?」

一瞬の沈黙の後、ハンズは自ら壊した
壁の瓦礫を踏みながら
ハンマーが粉砕したものを確かめに行く。

ジャケットの主だったものに
近づいていくと同時に、
ハンズは『MMA』を
ハンマーのめり込んだ先に向け
ワイヤーを巻き取りにかかる。

ワイヤーが『MMA』との摩擦で
シャーッという高い音を立てる。

同時にハンマーがめり込んだ地面が吹っ飛ぶ。
後はハンマーを『MMA』に戻すだけ。
戻っていくハンマーは
勝者だけが得ることのできる
満足感をかみ締めるように
ゆっくりと『MMA』に戻っていく。




と、どこからか発砲音がいくつも廃墟に響いた。
同時にハンズの足が地面につく。

ハンズ自身何が起こったのか把握できない。
いきなり体中の力が抜ける。
ふと、体のあちこちから痛みが湧き上がる。

「がっ!?」

痛みより先に、自分の体が言うことを
きかないという絶望感が全身を支配する。
とうとう膝立ちすらできなくなったハンズは
その場にうつ伏せに倒れた。

『MMA』という鉄の塊が
地面とぶつかり音を立てる。

ハンズの体から
じわじわと血が滲み出て、
彼の周りに池を作り始める。

「どう・・やっ・・・て?」

薄れゆく意識の中で、

近くにいるか分からない
ガウルに対し問い掛ける。




囮として積んだ石に
掛けておいたジャケットを
ガウルが拾いにきた。

ジャケットを羽織ながら答える。

「センサーが壊れたことに気づいたあんたは
 それを頼りにオレの居場所を特定しようとしたんだろ?

 オレはそれを利用して
 あんたをおびき寄せただけさ。

 まぁ、難しかったのはあなたをあの壁の方角に
 おびき寄せることぐらいだったかな。

 オレの賞金目当てか知らないけど・・・。

 長居は無用だな。
 行かせてもらうよ。」

そう言いながらガウルはその場を後にした。



置き去りにされたハンズは
ガウルが言っていた”難しかったこと”という言葉が、

太陽とジャケットを羽織った囮の積み石。
そしてハンズの壊した壁の位置関係によって、
ガウルの身代わりの姿が
はっきりと見えないようにできる位置。

つまり、ハンズが壊した壁の方角に
誘き出すためにセンサーの壊す順路など
すべてを予測、計算していたことを
意味していたのだということを
理解することなく息絶えた。



ガウルは廃墟と化した町を
出て次の町へと向かう。



黒いTシャツの上から黒色のジャケットを羽織り、
黒色のジーンズは『サブヴァーシブ』をしまっておく為の
ホルダー付きベルトで止められている。

彼はこれから続いていく
このプロローグに過ぎない物語の主人公。

	







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